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ギリシア陶器 アッティカ赤像式アンフォラ
ギリシア陶器 アッティカ赤像式アンフォラ
前5世紀中頃 ギリシア、アッティカ地方(アテネ) 陶器 高35.2cm
アテネの陶画家たちは、紀元前6世紀後半から、黒像式にかわって、図柄のまわりを黒く塗り、赤褐色の地色に残した図柄の細部を絵筆で描きこむ赤像式の技法を用いるようになります。旅に出る青年が見つめるなか、椅子に座った父親とおぼしき人物が、葡萄酒の入ったフィアレ(平らな大杯)を傾けて、潅奠(かんてん)の儀式を行っています。大地の神に酒を注ぐこの儀式は、出陣や旅立ち、葬礼に際して、神々に無事と安寧を祈念して行われました。もう一方の面には、母親と思われる女性が、同様にフィアレを手に近づいてくる姿が描かれています。衣を透かしてみせる身体の線や、人物の仕草、視線にいたるまで、ギリシア、クラシック時代の典雅を伝える名品です。
release 2017.07.13